サマーカットって、犬猫に本当に必要でしょうか?

まず皆様にお伝えしたいのが、
当店では犬猫の「不要不急のサマーカット」は推奨していません。
・全身に毛玉がある
・老齢のため短時間での仕上げが必要
・しばらく来られないので短くしたい
など、どうしても必要な場合以外は推奨していません!
※下記の場合などは例外です

夏場になると、犬猫が「暑そうだから」という理由で
1~3mmくらいの長さで全身をカットしてほしいというご要望が増えます。
お気持ちは分かります、暑そうに見えますよね。
ただ、一度よく考えてみて欲しいので
毛を短く刈れば本当に犬猫は涼しいのでしょうか?

砂漠で、裸で暮らしている人を見たことがありますか?
夏の甲子園で、高校球児は帽子をかぶっていませんか?

犬猫の毛は、
いわゆる「ラッシュガード」や「断熱材」のような効果があります。
紫外線や直射日光など、外部の刺激から身を守ってくれているのです。
夏場は蚊も増えますので、毛がある方が蚊に刺されにくくもなります。

犬猫の皮膚は、人間よりも薄く乾燥しやすいため
皮膚のためにも、被毛をある程度長く保つことが必要です。
(犬の皮膚は赤ちゃんの皮膚の1/2程度の薄さと言われています)
もちろん犬猫も日焼けをしますし、
結果、皮膚が真っ黒になってしまうこともあります。
(ちなみに日光性皮膚炎なんてものもあります…!)

体温がこもらないよう、ある程度短くすることは良いかと思いますが、
紫外線が皮膚に直接あたってしまうほど短く刈ることは
皮膚にとっても良いことではないですし、
逆に日光が皮膚に直接当たることで、熱中症のリスクが高くなるという説もあります。

そのため、当店では最低でも皮膚が透けにくいよう10mm程度は残してカットをおすすめしています。
毛の濃さ薄さや、毛色によっては10mmでも皮膚が透けてしまうことがありますので、
その子それぞれの被毛の状態に合わせて提案させて頂きます。

また、チワワやダックス、ポメラニアンなどの毛が伸び続けない犬種に関しては、
よほどの理由がない限り、全身のカットはしない事をおすすめします。

下手すると、全身ハゲてしまうことも…!?

アロペシアX、ポメハゲ、局所型脱毛…などなど、
様々な呼び方や症状があるようですが
短くカットするだけで全身が脱毛してしまう、
謎の病気の発症リスクがあります。
禿げはしなくても、毛質が固く変わってしまうこともあります。

特にポメラニアンの子はアロペシアXになりやすく、
肛門の周りやお腹にバリカンをかけるだけでも発症してしまう子がいます。
アロペシアXの子には、当店でも何頭もスキンケアに通って頂いています
実は、アロペシアXはまだ明確な治療方法がないため、
発症してしまうと、二度と毛が生えてこない可能性もあります。
※当店では、極力ポメラニアンの子には、足裏も中まで刈らずに、表面の飛び出ている部分だけ切ったり、
肛門の周りも、肛門にかかる毛をハサミで切るだけにしています。

暑そうだからとサマーカットをしたり、
可愛いからと短くカットしたりすることで、
突然、愛犬の被毛がなくなってしまうことがあるのです。

本来、犬猫の毛をカットする仕事のトリマーが
犬猫の毛を「切らない」「刈らない」というのはおかしいかもしれません。
ですが、トリマーだからこそ、あえて言わせてください。 
不要不急のサマーカット、短毛犬種の短めカットには反対です。
熱中症の対策はサマーカットだけではないはずです。

どうか、愛犬愛猫の健康、皮膚、被毛を守るためにも
極力サマーカットはせずに、ある程度毛の長さは保った状態でお過ごしください。